当尾張地方(名古屋市西部を含む)には昔から「鮒味噌」と言う、川魚
の鮒を材料にして当地の豆味噌(赤味噌)と大豆を煮込んだ、郷土料理
があります。
  炊き上がった鮒味噌      盛り付けた骨まで食べれる鮒味噌  

   

俗に「寒鮒」と呼ばれている鮒が、一年を通じて脂が乗って一番美味しい時期に
大豆と赤味噌を材料にして煮込んだだけの料理です。私共の母親達がこの時
期になると近所同士、お互いに出来上がった鮒味噌をお裾分けして、各家庭の
味を確かめ合い御飯のお菜の一つになったものでした。今では先ず作る家庭
は少数派、大多数はスーパーや総菜屋でたまたま売っている時に見かけるだ
けです。
我が家では毎年この時期になると家内に頼んで作って貰い、この味を忘れない
ようにしております。しかし次に記述する製作過程の説明通り、大変な手間と時
間がかかり、一般家庭では段々と忘れられて行くのが現状のようです。
今年は何とかして製作記録を残そうと思い、今回ホームページに掲載する事に
しました

丁度先日スーパーの魚屋さんに岡山産の養殖鮒ですが、頃合の大きさの鮒を
見つけたので、早速二匹買い求めて鮒味噌を炊く事にしました。鮒の大きさは
25CM〜28CM位で、体がやや薄赤色をした適当な真鮒、魚屋さんではらわた
だけ出して貰う。
煮込む鍋はやや大きめの尺二寸鍋に番茶を沸かしてたっぷりと注ぎ、最初は
ガスコンロで強火で約一時間ほど煮立てる。暫く煮込むと灰汁が出てくるので、
根気に掬って出し水気がなくなれば、別の薬缶で番茶を沸かし注ぎ足す。
一時間ほど煮込んだ後今度はストーブの上で遠火に切替えて、根気よく半日
位に込み一日目は終る。二日目も更にストーブなど遠火で半日位煮続ける頃、
骨と肉がばらばらになってくる。そこで固い骨の部分だけ少し取り除いた後、二
時間ほど水に浸した大豆約600Gを入れて更に半日ほど煮込むと、大豆も骨も
柔らかくなってくる。二日目はこれで終り、三日目はいよいよ味付け、当地方の
赤味噌(又は併せ味噌)とみりん、隠し味に醤油と砂糖を少々混ぜて、味を確か
めながら、時々よくかき混ぜて汁気の無くなる手前迄、2〜3時間に込んで終了。
一晩寝かせて食べ心地になる。写真(左)は出来上がった鍋の中、(右)は小皿
に盛り付けた出来上がりです。鮒味噌は冷暗所又は冷蔵庫でパックなどに入れ
て保管すれば、冬の間なら一ヶ月位は保存できます。

鮒味噌はあくまで冬の寒中の料理、ガスコンロの強火だけでは出来ず、暖房用
のストーブ又は練炭コンロ(火鉢)などの遠火を使って、こげつきの無いようにか
き混ぜて煮込む事、それによって鮒の強い骨もやわらく仕上り、食べれるのが
特徴です。もう一つ煮込む最中はどうしても鮒の匂いが部屋中に漂います、換気
に気をつけてください。

さあ、美味しい鮒味噌が出来上がりました、お菜にしても良し、お茶受けにしても
良し一度食べたら忘れれる事のない「郷土家庭料理」です。
是非お試し下さい。不明な点がありましたらお知らせ下さい。


NO-08-200-64
21-02-28 編集

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  郷土料理鮒味噌を作る