NO-08-200-42
18-11-30 編集

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  住宅のリホームあれこれ

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或る会合で住宅のリホームについての、講演からの内容を記載しま
した。参考になれば幸甚です。

日本家屋では以前では、歳の暮れや其の家に何か特別な行事の或る
場合には、家の内外の大掃除をしながら、障子紙を張替え時には畳の
表替えや裏返し、壁の塗り替えなどを行って、気分を一心する事が当
たり前に行われてきました。
これも今様に言えばリホームかと思います。
現在では、壁紙(クロス)や、ペンキを塗り替えする事になるかと思い
ますが最近そうしたリホームをこまめに面倒を見ない為、手入のサイク
ルが長くなってしまい、結局リホームをしようとすると、勢い大々的に
なって高価な代償を払う事になります。

これには以前の日本家屋と最近の住宅は、材料、施工法が色々な所で違
っており、ひいては住宅の基本的概念や、住まい方の思想等が影響を受
けている。先ず、住宅の思想の違いは何かと言いますと、以前は太平洋
側気候の夏場における高温多湿に対応する為、室内の風通しを最も考慮
する事、開口部を大きく取り、部屋に余り物を置かない、流動性の有る
間取りの住まい方が基本になっておりました。 士かも水周りの浴室、
便所などは別棟かそれに近い場所に、多少の不便さには目をつぶり、居
住部と有る程度隔離された場所に配置されており、それが当たり前でし
た。これらは湿気に対する防御の為と思われます。
他方、今日の住宅は居間を中心に個室を隔離した、間仕切りを作り込ん
で、夫々の部屋は防音断熱を考慮した為、開口部は比較的小さめと利便
性を最重点に水周りの炊事洗濯、風呂便所などは居住部の身近に配置し
て、気候の寒暖調整は空調機器に頼り、住環境の快適さを追求した考え
方で成り立っております。
もう一つ、清楚な簡潔さと、見た目の綺麗さの違いが有ります。昔の建
物は素材の美しさを使い込む事によって引き出し、年月の重みを表現し
ておりましたが、今は工業手法によって綺麗さが強調されて、作られた
時が一番綺麗で時と共に消耗をするようになっております。最近でも沿
うばかりとは言いませんが、素材の美しさを強調した材料や製品が、お
金次第で出回っておりますが、如何しても商品価値を高揚させなければ
ならず、逆に其の製品自体が浮き立ってしまう場合が多く、それを使う
人の考え方が伴っていない場合が、多いようです。
それと家は消費財と言う考え方、確かに家は時間が経てば悪くなって価
も下がってきます。そればかりかお金を出せば幾らでも新築された住宅
が、簡単に手に入る時代になった事(昔でもお金を出せば買えましたが
、今とは一寸違い拘束要件が難しかった)折角手に入れたけれど、住ま
うようになり有る程度無理を承知で買った為に、家の手入まで手が廻る
だけの余裕が無い、その為にその場凌ぎで放置せざるを得ない。又、収
入にゆとりが出来る様になると、簡単に住んでいる家を売って新しい家
を買い替える、壊して建て替える、等により必然的に家に対する愛着心
が薄れて、単に耐久消費財を買い換える位の感覚で、それがステータス
だと思って見える方が、結構多く見かけられます。そんな時代になって
来ました。

話が少しずれてきました。本題のリホームに戻して考えて見ましょう。
初めにお話をしましたように、部分的な修繕や改造は、今までにもそれ
なりに有る程る様な時代に入ってからは旧いとか、時代遅れと言って住
んでいる家を平気で壊しても何とも思はない風潮が広がり、更に終戦直
後から30年代前半に資材が不足をしている時代に建てられた住宅が、
生活様式の洋風化によって一層の拍車を掛けた。
平成バブルの終焉と、世界的な資源の渇涸が叫ばれる様になって、個人
個人の消費に対する考え方が、少しずつ変化をして来ました。それに不
況が新規住宅需要の減退を誘い、以前なら主流から外れて片手間にリホ
ームをしていた住宅業界が本腰を入れるようになって、一躍脚光を浴び
るようになりました。しかし、リホームは施工業者から見ると、実際工
事を纏めるには新築工事と違ってマニアル通りには仕事が進みません。
絶えず有る程度の融通性と技術的に精通をした管理者と職人の連携が無
ければ、旨く出来上がらずトラブルの基となります。従って管理人件費
のウエイトが工事全体に重くのしかかる事になり、其の費用を工事費に
反映させるには容易な事ではありません。採算をまともに考え方で見積
もりをすれば、工事の割りには高額な金額を出さざるをえず、何時もそ
のジレンマの狭間で悪戦苦闘をしなければなりません。
契約が締結して工事は始まれば、予測の出来ない事による変更、施主の
思い違い等による変更を、如何にして話し合いの上で処理をしてゆくか
いずれにしても工事全体を、それらの理由で遅らせる事の無いような、
適切な判断を常に行える様な体制の上で、完成に向かって努力をしなけ
ればなりません。その心掛けが出来なければリホームには、手を出さな
い方が賢明です。が、それでは折角の話が前に進みません。それらの要
件を如何に克服して施主に納得をして貰うか、が成功不成功の分かれ目
になります。
もう一つリホームは住む人の家庭の中迄入り込まなくてはなりません。
施主と施工者の信頼関係を保ちながら、工事を素早く進行させてる為に
工事経験を確りと積んだ人達を出来るだけ配備して、短期間に工事を完
成させるような人員の配置をして、管理者は常に先頭に立って工事全体
を把握しなければなりません。リホームだからと言って手を緩める事は
、必ずトラブルの原因になって信頼を損ない、ひいては信用問題になり
ます。

請負は読んで字の如く、常に請けて負けることが当たり前です。又、反
面負るが勝ちと言う諺があります。要は当事者双方がどこまで誠心誠意
を貫けるか、この当りをきちんと見極めが出来ればそんなに恐がる事は
ありません。リホームの場合は新築工事の時より、施工者ばかりでなく
施主も一層の努力とコミニュケーションに留意をしながら、常に納得の
上で工事を進めましょう。

工事費の問題で良くトラブルを見聞きします。要は施主も施工者もリホ
ームについての認識の悪さが、大きな原因になっているようです。
次に一つの事例をお話します、皆さんはどう考えられますか。

最近、建築後20年程経った33坪の二階建ての住宅を親から貰って、
住替えようとしましたが、小中学生の子供が3人おり個室が欲しい、親
の住んでいた生活様式が違うから遣い勝手が悪い。又水周りの浴室部分
が一部土台等に腐食があって、この際だから思い切ってリホームをしよ
うと、有る地元のハウスメーカーと相談をした所 工事内容の書かれた
設計図10枚程度と、簡単な補足仕様書、直接工事費約1950万、
設計管理量180万円、諸経費150万円、合計2280万円、出精
値引き80万円、請負金額2200万円の見積書、現在の状態写真10
枚と合せて持って来られて、如何なものでしょうか。と相談にお見えに
なりました。 
内容を精査してみると、添付された写真から建物本体は比較的良くてい
れされて、主要構造部の基礎や骨組みは、風呂場の周り土台の一部を除
き全く触れる必要の無いじょうたいです。床下の謀蟻対策も5年ほど前
に施工されており、シロアリの被害や湿気等はありません。只床下の防
湿コンクリートはありませんので、今回床をめくる関係で施工をする事
になっておりました。今回炊事場と食堂を一部屋に改造をして、キッチ
ンセット(65)トイレユニットバス(100)既存外部波型鉄板張り
をサイディングに張替え、耐震補強を6箇所程施工、外部アルミサッシ
内部建具は全部取り替え、電気配線関係、給排水関係は建物外部を除き
、全部やり替え。 既存の建物は軸組みと屋根瓦を除き、全面的にやり
直す見積りでした。

見積りの内容はどう見ても4〜500万円は高いと思いました。費用は
其の他に工事中の住まいは現在の所で必要はありませんが、引越し費用
や什器備品等が別に150万円が必要と見ました。
このままリホームとして工事をして貰い、実際に住んでみた時に、これ
だけの金を掛けたが新築をしたら如何だったろうか、の想いと不平が必
ず出てくると思いますが、そうなってからは遅いですよ。 もう一度原
点に戻して再検討をしては? の返事を差し上げておきました。若し取
りやめにするなら施工者に些少でも良いから(10万程度)事務費の一
部でお渡しになっては。これは依頼した以上の最小限の礼儀としてです

この件について皆さんは如何思はれたでしょうか。
此処までの見積書が出るリホームとは、一体何処まで信用が出来るでし
ょうかリホームとは特別な経緯の有る建物だとか、余程施主の思い込み
の有る建物で如何にしても或る部分を残して次にのこさなければならな
い、価値の有る建物それなりに費用を掛けても保全をしても、止むおえ
ないかもしれない場合ならいざ知らず、反面施主の懐具合で新築をした
くても出来ない場合には、リホームに行き着いたかもしれません。其の
当りを考慮して施主にはっきりと経緯を聞き出して、善処するような業
者にならないと、業者自信が不信感を持たれて信用が悪くなると思いま
す。 昨近は仕事さえあればなんでも有り。施主側も日本人の流行であ
れば、本質が分らなくてもそれに乗ってしまう傾向が拍車を掛けている
ようです。それが悪質な業者を蔓延させて今回のような事例を生む原因
になっているようです。

リホームを専業でやってきた会社が以前からありましたが、今まで大抵
5〜6年位で倒産、又は衣替えして中々立ち行かないようです。
仕事の割には経費がかかり過ぎからだと思います。営業マンを使い仕事
を確保しても、営業マン自身が現場に入るわけでなく、下請け任せにな
ってしまい、請負側では採算を或る程度重要視しなければ、事業として
成立しない為、如何しても必要以上の費用を上乗せしなければならず、
施主とのトラブルで旨くゆかない、其の位割には合わない事業分野だと
言う事です。
大規模な建物のリホームはさておき、住宅のリホームは先にも述べまし
たように、現場経験を積んだ管理者と職人の連携がなくては、決して成
功しないと言っても過言でありません。なまじっか中途半端な考え方で
は所詮出来上がりも不味く、トラブルの原因になります。
いずれにしても、施主も施工者も新築より難しいと言う事を、常に念頭
において、工事を纏めるようにしてください。